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指定管理者による「公の施設」の使用許可の取消処分について

この報道がありました。

「法的措置も検討」表現の不自由展実行委 大阪会場許可取り消し | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210625/k00/00m/040/408000c

大阪市で7月に開催される予定だった企画展「表現の不自由展かんさい」について、会場となる大阪府立施設の指定管理者が使用許可を25日付で取り消したことが判明した。開催が明らかになった6月中旬以降、施設への抗議活動が相次ぎ、利用者の安全が保証できないと判断したという。府は指定管理者から事前に相談を受け、許可取り消しを容認した。

大阪府立労働センター条例
https://www.pref.osaka.lg.jp/houbun/reiki/reiki_honbun/k201RG00000713.html

(利用の承認の取消し等)

第四条 知事は、前条第一項の規定により利用の承認を受けたものが次の各号のいずれかに該当するときは、施設の利用の承認を取り消し、又はその利用を制限し、若しくは停止させることができる。

 センターの利用の申込みに偽りがあったとき。

 他の利用者に危害を加え、若しくは不快の念を起こさせ、又はそのおそれがあるとき。

 センターの建物又は設備を損傷し、若しくは汚損し、又はそのおそれがあるとき。

 センターの利用が暴力団の利益になり、又はなるおそれがあると認められるとき。

 この条例若しくはこの条例に基づく規則の規定又は利用の承認に係る条件に違反したとき。

 前各号に掲げるもののほか、センターの管理上支障があると認められるとき。

(指定管理者による管理)

第五条 知事は、法人その他の団体であって知事が指定するもの(以下「指定管理者」という。)に、センターの管理に関する業務のうち、次に掲げるものを行わせることができる。

 センターの利用の承認、その取消しその他の利用に関する業務

 センターの維持及び補修に関する業務

 前二号に掲げるもののほか、知事が特に必要と認める業務

2 前二条の規定は、前項の規定により指定管理者に同項各号に掲げる業務を行わせる場合について準用する。この場合において、第三条第一項中「知事」とあるのは「第五条第一項の指定管理者(以下「指定管理者」という。)」と、同条第二項及び第三項並びに前条中「知事」とあるのは「指定管理者」と読み替えるものとする。

そして、使用許可の取消しは行政法でいう「処分」、それも不利益処分に当たり、条例に基づく処分であることから、大阪府の行政手続条例条例が適用されます。

会場の「大阪府立労働センター(エル・おおさか)」が大阪府の「公の施設」にあたるため、指定管理者による使用許可の取消処分に関しては、指定管理者が行政庁にあたると思います。文理的には微妙だけど行政手続条例全般の一般的な解釈としてはそういうことになっているはず。

大阪府行政手続条例
https://www.pref.osaka.lg.jp/houbun/reiki/reiki_honbun/k201RG00000019.html

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 法令 法律、法律に基づく命令(告示を含む。)及び条例等をいう。

 条例等 条例及び執行機関の規則(規程を含む。以下同じ。)をいう。

 処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。

 

五 不利益処分 行政庁が、条例等に基づき、特定の者を名宛人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。
(略)

 

(不利益処分をしようとする場合の手続)

十三条 行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名宛人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続をとらなければならない

 次のいずれかに該当するとき 聴聞

 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。

 に規定するもののほか、名宛人の資格又は地位を直接に剥奪(画像奪)する不利益処分をしようとするとき。

 又はに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認めるとき。

 前号イからまでのいずれにも該当しないとき 弁明の機会の付与

2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の規定は、適用しない。

 公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続をとることができないとき。

 条例等上必要とされる資格がなかったこと又は失われるに至ったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資格の不存在又は喪失の事実が裁判所の判決書又は決定書、一定の職に就いたことを証する当該任命権者の書類その他の客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき。

 施設若しくは設備の設置、維持若しくは管理又は物の製造、販売その他の取扱いについて遵守すべき事項が条例等において技術的な基準をもって明確にされている場合において、専ら当該基準が充足されていないことを理由として当該基準に従うべきことを命ずる不利益処分であってその不充足の事実が計測、実験その他客観的な認定方法によって確認されたものをしようとするとき。

 納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、又は金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき。

 当該不利益処分の性質上、それによって課される義務の内容が著しく軽微なものであるため名宛人となるべき者の意見をあらかじめ聴くことを要しないものとして執行機関の規則で定める処分をしようとするとき。 府の機関 知事、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百三十八条の四第一項の規定に基づき府に置かれる執行機関、警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第三十六条第一項の規定に基づき置かれる府警察若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法律若しくは条例上独立に権限を行使することを認められた職員をいう。

 

 

(不利益処分の理由の提示)

第十四条 行政庁は、不利益処分をする場合には、その名宛人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならないただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。

2 行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名宛人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。

3 不利益処分を書面でするときは、前二項の理由は、書面により示さなければならない

なので、取消処分にあたっては、行政庁たる指定管理者が事前に聴聞を行ったのかどうか、取消処分の際にしっかり理由を示したのかどうかが気になるところです。

聴聞を指定管理者が行うのはなかなか現実的でないと思われるため、以下のように自治体が関与する仕組みにしてる場合もあるのですが、今回どうだったのかはわかりません。

指定管理者と聴聞: しがない地方公務員のメモ帳
https://bottom.at.webry.info/200604/article_15.html

以前に、
指定管理者制度⑪で、
行政手続条例と指定管理者の関係について簡単な整理をしていたのですが、その中で、
聴聞や弁明機会付与は指定管理者が行う。
聴聞の通知などに際して不利益処分の名あて人の所在が判明しない場合の公示送達なども指定管理者が指定管理者の事務所の掲示場に提示することにより行う。
聴聞における主宰者は指定管理者が指名する。
聴聞における説明者は指定管理者の職員となる。
と整理していました。
行政手続条例・規則を素直に適用すればそうなるわけですが、宮城県では、行政手続条例施行規則を改正し
http://www.pref.miyagi.jp/sibun/ken_kouhou/H1803kouhou.htm
の平成18年3月22日(水)第1742号
聴聞の主宰者として
指定管理者が行うこととされている処分に係る聴聞にあっては、知事が別に定める者
を追加しています。
恐らく、指定管理者が指名した者(例えば指定管理者の職員とか)を聴聞の主宰者とすることは適当ではないとの観点から、当該改正が行われていると思われます。

ちょっと読んだ感じでは、府が代行できる規定は見当たらなかったのですが・・・

大阪府聴聞等の手続に関する規則
https://www.pref.osaka.lg.jp/houbun/reiki/reiki_honbun/k201RG00000020.html